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アウシュビッツ平和博物館訪問
 
【アウシュビッツ平和博物館について】

アウシュビッツ平和博物館は、『「人間が人間に対して行った殺戮行為の極限」といえる「アウシュヴィッツ」の事実を語り継ぐ活動を通して命の尊厳と平和の価値について学ぼう』という理念のもと、ユネスコの世界遺産・アウシュヴィッツ収容所跡を保存するポーランド国立オシフィエンチム博物館より借り受けた犠牲者の遺品と記録写真による10年間にわたる全国巡回展を経て、常設展示館として福島県白河市に建設されました。


【レポート】

福島県と栃木県の県境にある『アウシュビッツ平和博物館』を訪問しました。
もっと遠くにあるのかと思いましたが、白坂という駅から歩いて5分、看板を左に進むと、すぐにそれらしい広場と建物が見えてきました。キレイに整備された広場の中に2両の貨車が佇んでいて、パッと見るかぎりでは、どこかの公園によくある風景にも見えます。しかし、ここに来た人はすぐに気付くでしょう。それが『アウシュビッツ・ビルケナウ』--- 多くの人々を詰め込んだ貨車が行き着く "強制収容所" --- をイメージして置かれていることを。

ログハウス風の木の家の中には、そののどかな外見とはうらはらに、かつての悲劇を展示していました。
第二次世界大戦中、ドイツ軍は政策により多くの人々(特にユダヤ人)を虐殺しました。その最大の悲劇の現場が『アウシュビッツ第二強制収容所・ビルケナウ』です。
館内の映画は、アウシュビッツの殺戮の様子を詳しく描いていました。何より私がゾッとしたのは、"労働力にならない子供や妊婦を先に殺した" ということでした。さらに、ガス室に送る前には全裸にし、金歯を抜き、織物にするために髪の毛をすべて切り、すべてを奪い去った後に殺す、そして死体の処理も収容した人にやらせ、彼らも当然のように殺すというやり方はひどいとしか言いようがありませんでした。

  アンネ・フランクの展示では、彼女は捕まった後、収容所で伝染病にかかり亡くなったと知り、とても悲しい気持ちになりました。子供の頃読んだ『アンネの日記』。その最後を私は覚えていませんでした。いや、悲しくてあえて覚えなかったのかもしれません。彼女が国に翻弄され、 "殺された" というそのラストを。

「レスキュアーズ」の展示は、当時の政策に抗い、ユダヤ人の方などを助けた人々の談話がつづられていました。みな、お金持ちやそれなりの地位を持った方々でしたが、果たして、眼前にそういう人がいて、助けようと思えば助けることができる立場にいたときに、自分は動けるのだろうかと思いました。

外の貨車には「こどもたちの見た戦争」の展示がされていました。たくさんの子供達による絵がありましたが、その多くが「兵士が親に銃を向け命令する」という構図でした。自分の目の前で繰り広げられた惨劇が、思い出したくなくても目に焼き付いているのでしょう。

  人を殺すことを国が良しとしたら、一体国民はどうすればよいのでしょう。静かな広場の中で、しばらくひとりで考えこみました。


【住所】
アウシュビッツ平和博物館
〒961-0835 福島県白河市白坂三輪台245
【アウシュビッツ平和博物館ウェブサイト】
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